「第七回 春の制作展」ご挨拶

「絵を学ぶ」ことってなんだろう。絵を習う人達はよく『描き方」を教えてくれと言われる。また「描き方」が判らないという。風景の描き方は?、花の描き方は?梅は?桜は?・・・。「梅はかけても桜はかけない、だから桜の描き方のコツを教えて」なんて言う。絵にコツがあるなんて嘘でコツなんて無い。見えたまま感じたままだ。自分が感じてなければ描くことなんてできない。「絵を描くことは自由に描き楽しく描くことだ」とどこかの画家が言っていた。「それでは習う意味はないじゃないか」そうかも知れない。

 技術は必要がないのではなく表現に必要な技術を学べば良い。技術は無用と言いながら矛盾している様に思われるが技術は無いより在った方がよい。だが先にあるのではなく必要にかられた結果、技術がもとめられる。技術論は後から・・・自分自身が最初にいないと一体誰の絵を描いているのか・・・。技術や方法にこだわらず、見方や感じ方、捉え方が肝要だ。「絵を学ぶこと」は自分の感性がどこにあるのか探すことなのかもしれない。しかしなかには結果を求め評価を得たいあるいはうまく描きたいという人達もいる。絵は正直だ。今ある自分しか映せない。だから今感じ表現したいことを他人の評価など気にせずまた背伸びすることなく精いっぱい表現して欲しい。自分自身の感性の深淵をのぞきこみ自分がどこに行こうとしているのか、自らを見つめることが大切だと思う。

言い古された言葉だが、絵はナンバーワンの世界ではなくオンリーワンの世界。人はそれぞれ考え方も感じ方も違い十人十色だ。金子みすゞの言葉「皆違ってそれが良い」絵もそのようにありたい。

「春の制作展」にご来場頂き、ありがとうございました。

アートラボ山上    主催者 山上悦則

 

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